会社員の副業では、給与以外の「所得」が年間20万円を超えることが、所得税の確定申告を考える主な目安です。ただし、この基準はすべての人に当てはまるわけではなく、20万円以下でも確認が必要な場合があります。

この記事は、日本国内で働く会社員の副業を中心に、一般的な確認ポイントを紹介します。所得税の申告要否を個別に判定するものではありません。情報確認日:2026年9月12日。

1. 会社員の「20万円」の基準とは

給与を1か所から受け、その給与のすべてが源泉徴収の対象となる方は、給与所得・退職所得を除く各種所得の合計が年間20万円を超えると、原則として確定申告が必要になります。給与収入が年間2,000万円を超える場合など、副業の金額とは別の申告理由もあります。[1]

反対に、給与収入2,000万円以下・給与は1か所・その給与について源泉徴収や年末調整が行われ、給与所得と退職所得以外の所得合計が20万円以下である場合は、原則として所得税の確定申告を要しないとされています。ほかに申告理由がないかも確認してください。[2]

2. 売上と所得を区別する

業務に係る雑所得は、総収入金額から必要経費を差し引いて計算します。たとえば、原稿料などの収入と、その仕事のために必要だった支出を分けて整理します。副業がどの所得区分になるかは実態によるため、一律に雑所得と決めるものではありません。[3]

売上から所得を出して、2つの申告を確認する架空の年間集計例です。12万円が必要経費として認められ、業務に係る雑所得として計算することを前提にしています。
年間の売上・報酬
300,000円
差し引く必要経費
−120,000円
この副業の所得
180,000円

所得税の確定申告

ほかの対象所得も合計し、給与の受け取り方や、医療費控除など別の申告理由を確認します。

この18万円だけで「申告不要」とは決まりません。

住民税の申告

所得税の確定申告をしない場合も、住民税の申告が必要になることがあります。

お住まいの市区町村の案内を確認します。

「所得を計算すること」と「申告が必要かを判断すること」は別の段階です。各申告の条件は、以下の説明で確かめてください。

複数の副業をしている場合、20万円の基準を仕事ごとに分けて使うわけではありません。給与所得・退職所得以外の対象となる所得を合計して確認します。私生活と共用する支出を、そのまま全額経費にするような判断は避け、業務との関係がわかる記録を残しましょう。

3. 20万円以下でも確認が必要なケース

医療費控除などで確定申告をする

医療費控除のために還付申告をするなど、確定申告を行う場合は、20万円以下の副業所得もあわせて申告します。「申告しなくてもよい場合がある」ことと、「申告書に書かなくてよい」ことは異なります。[2]

副業先からも給与を受け取っている

アルバイトなどで給与を2か所以上から受け取る場合は、年末調整されなかった給与の収入金額と、給与所得・退職所得以外の所得の合計などで判断します。業務委託の報酬と同じ計算を当てはめず、例外を含めて国税庁の条件を確認してください。[1]

会社員の副業という前提に当てはまらない

個人事業を本業にしている方、給与を受け取っていない方、年金を受け取っている方などに、この20万円の説明をそのまま当てはめることはできません。自分の所得や控除に応じたルールを確認しましょう。

4. 住民税の申告は別に確認する

所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になる場合があります。たとえば横浜市は、給与以外の原稿料所得が15万円あり、所得税の確定申告をしない場合には住民税の申告が必要と案内しています。[4]

申告方法や必要書類は、お住まいの市区町村の公式案内で確認してください。所得税の確定申告をした場合は、通常、住民税の申告を別途行う必要はありませんが、自治体の案内で自分の状況を確認しておくと安心です。

5. いつの収入を、いつ申告する?

所得税の確定申告は、1月1日から12月31日までの1年間の所得などを計算し、源泉徴収された税金等との過不足を精算する手続きです。[5]

申告期間は原則として翌年2月16日から3月15日までです。休日などで日付が変わることがあるため、対象年の案内を確認しましょう。還付申告は通常の申告期間とは扱いが異なります。[6]

2026年分の通常の申告期間

2027年2月16日(火)〜3月15日(月)。国税庁の案内では、2026年分の申告所得税等の申告期限・納期限は2027年3月15日です。[7]

所得税と住民税がそれぞれいくらになり、いつ払うのかは、副業で月3万円稼いだら税金はいくら?で、会社員・フリーランス・扶養内の例と計算ツールを使って確かめられます。

6. 今からまとめておくもの

  • 勤務先から交付される源泉徴収票
  • 副業の売上や報酬がわかる請求書・取引明細
  • 経費の内容がわかる領収書・支払記録
  • 収入・支出を日付や相手先ごとに整理した記録
  • 適用を受けたい控除に関係する資料

売上の計上時期、経費の範囲、所得区分などで迷う場合は、税務署や税理士へ確認してください。この記事を入口に、申告する年の国税庁・自治体の情報で確かめながら準備を進めましょう。

副業を始める前の時間・費用・契約の確認ポイントも読む →

参考にした公式情報

本文の参照番号に対応しています。各リンクから公式の案内を確認できます。

出典の一覧を開く(7件)出典の一覧を閉じる
  1. 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」 ↗本文へ戻る ↑
  2. 国税庁「確定申告を要しない場合の意義」 ↗本文へ戻る ↑
  3. 国税庁「No.1500 雑所得」 ↗本文へ戻る ↑
  4. 横浜市「給与以外に副収入がある場合の住民税の申告」 ↗本文へ戻る ↑
  5. 国税庁「所得税等の確定申告とは」 ↗本文へ戻る ↑
  6. 国税庁「No.1000 所得税のしくみ」 ↗本文へ戻る ↑
  7. 国税庁「申告と納税」 ↗本文へ戻る ↑

情報確認日:2026.10.10。仕事内容や選び方はタスミチが編集したガイドです。料金・制度・利用条件は、本文の公式情報もあわせて確認してください。